はじめまして、澤田ゆりなと申します。
現在私は個人作家としてminneやcreemaでウェディングブーケやフラワーリースなど、フラワーアレンジメントの制作・販売をしていています。
3年前に始めた販売活動ですが、現在はありがたいことに多くのお客様にご依頼頂くようになり、趣味として始めたこの活動も今は本業として毎日お花作りをする生活を送っています。
今日は少し私自身のことを書いてみようと思います。
きっとこのページを読んでくださっている方はフラワーアレンジメントにご興味がある方、もしくはご自身でも作品販売をしてみたいという方が多いかと思います。
ごく普通の会社員だった私が、どのように趣味を本業にして行けたのか?そしてこれから私が目指す未来をお話しさせていただこうと思います。
同じ志を持つ方に、何か少しでも参考になることがあれば嬉しく思います。
初めて魅了されたお花との出会い
私が作品販売を始めたのは今から3年前。
それまでは大学の卒業以来、ずっと会社員として事務のお仕事をしていました。
事務のお仕事は、10年以上続けていたこともあり割と得意で、なんと言っても安定しているので、
ずっと続けていくのかな、なんて思っていました。
そんな日常の中でふと
「10年後も20年後も今想像できる人生を過ごしていくのかなぁ。」
という気持ちになっていきました。
事務というお仕事はそもそも誰かのサポートをするお仕事です。
自分が中心でやっているお仕事ではないし、10年以上の経験で、自分のスキルがどう身についているかも分かりづらい。同じ事務というお仕事のなかで転職するという選択もあるけど、ちょっと違うな、と思っていました。
なにか自分も手に職をつけるような仕事をしてみたい。
一度きりの人生なのだし。
そう思っていた時に私は、自分が
”お花が好きだった”
ということを思い出しました。
当時私は表参道の会社に勤務していたので、毎日商業施設のショウウィンドウの前を通ります。
表参道にはハイブランドなお店が立ち並びます。おしゃれなビル群。
そんな都会の空気に飲まれそうになりながら、ふと横に目をやった時、あるブランドのショウウィンドウの中にある、とても高価なジュエリーの横に添えられているフラワーアレンジメントに釘付けになったことがありました。
バラやアジサイで作られたその豪華でセンスの良いアレンジメントは、それ自体が鮮やかに輝きながらも、隣のジュエリーを何倍も素敵に演出してくれているように見えました。
お気に入りのそのアレンジメントを見つけて以来、毎日そのお花をみてから会社に出勤する私。
今日はちょっと気がすすまないな、毎日会社に行くのが大変だなぁと思っていた時でも、お花は私に勇気を与えてくれるような気がしました。
そんなお花の持つ不思議な魅力を感じながら、見ている人の気持ちをどこか上向きにしてくれるような、前向きにしてくれるようなアレンジメントに自分自身も深い興味が湧いていきます。
私を飾ってくれたアレンジメント
思い返してみると、10年前の自分の結婚式での準備でも色々な写真集を見るうちに、お花の美しさやアレンジメントの多様さに心を奪われている自分がいたことを思い出しました。
どのブーケを持ったら、私のドレスに似合うかな?
どんな形のブーケが、私の身長にフィットするかな?
主役でありながらも引き立て役としてのブーケ選びは本当に楽しくて、とてもワクワクしたのを覚えています。
特に私はワキリエさんの本がとっても好きで、そこに載っているオシャレなブーケを、結婚式が終わった後でもよく眺めていました。
そして、調べていく中で、『フワラーデザイナー』という職業を知ります。
ネットでいろいろ検索をしてみると、アーティフィシャルフラワーという造花があって、その造花は本物のお花とそんなに変わらないくらいクオリティが高いことを知りました。
ふと、
”私も、この本の中で紹介されているお花みたいなオシャレなブーケを作れたらいいな。”これまで大人になってから、「これがしたい!!」という情熱を燃やせるものは特になかったのですが、
フラワーアレンジメントは、そんな私に熱いスイッチを入れてくれました。
レッスンに通い始める
よくわからないけれど、一回教室に通って、アーティフィシャルフラワーに触れてみたい。勉強してみたいな。
そんな気持ちが強くなり、私はレッスンに通い始めます。
最初のお教室は、自分が働いている会社からほど近い場所にあるお教室に通いはじめました。
そのころの私は当然全くのお花初心者で、アレンジメントの種類もお花の名前も大して知識がない状態。
とにかくとてもドキドキしながら向かったのを覚えています。
レッスンに通い始めてみると、自分が今まで経験したことないお花のアレンジメントの奥深さを知り、とても楽しく、そして同時に・・
とにかく四苦八苦でした。
アレンジメントの技術や技法を学べば学ぶほど、先生が制作される、完成されたフラワー作品の難しさや技術力をひしひしと見せつけられます・。
・握って固定するって、簡単そうに見えてこんなにも難しいんだ。・挿す場所が違うだけでこんなにも作品の表情が変わるものなんだ。・見た目だけでなく、重心を意識することではじめて、花嫁さんを引き立てるブーケになるんだ
知らないことが沢山ありました。
また最初の頃は、”いろんな花材を使ってゴージャスにすることが素敵なアレンジメントでは大切なのかな”とどこか思っていたのですが、
当時習っていた先生から教えてもらった言葉で、とても印象的なものがありました。
「フラワーアレンジメントは、足し算じゃなくて”引き算”が大事。無駄や余分な花を削ぐことによって、シンプルな中に美しさが生まれるのよ。」
この言葉を聞いた時にふと思い出したのが、最初表参道のショウウィンドウでみたアレンジメントフラワーの事でした。
「お花それ自体が美しく輝きながらも、決して主役ではなくその空間自体を引き立てている。 これって、そう言えば結婚式のブーケを選んだ時にも感じたことだなぁ。」
そんなことを思い出しながら、改めてアレンジメント制作の深さ、楽しさ、そして難しさを感じながら、私は毎週フラワーアレンジメントレッスンにせっせと通うようになっていきました。
私の大きな欠点
アレンジメントの制作をスタートした時から、実は私は不安に感じていることがありました。
それは、
自分がとても不器用
だということです。
綺麗なものやおしゃれなもの、美しいものは大好きだけれど自分で作るとなると話は別で、
学生時代にやってみた手芸やアクセサリー作りも、これまで何度も失敗や挫折をしてきました。
そんな自分が、美的感覚や高い技術を求められるフラワーアレンジメントを作れるようになるのかな・・?
とくにレッスンに通い始めて1~2年くらいは、レッスンの時間内に上手に作れないこともあり、自信をなくしたり自分にはやっぱり難しいのかな、と感じる時期もありました。
でも大好きなフラワーアレンジメント。
習っていた先生にも励まされながら、自宅でも花材をたくさん買って練習を重ねる中で、
スキルがどんどん上達していくのを自分でも体感していきました。
そんな時に気づいたことがあります。
それは、
”不器用でも美しい作品を作る方法がある”
ということです。
美しく作るポイントが見えてくる
私自身、感覚的なニュアンスや自分のセンスで自由にやろうとするとどうしても作品が上手くできなかったり毎回完成する作品に違いが出てしまっていたのが悩みだったのですが、
ある時から、”理論的に”アレンジメント制作をするととても美しい作品が出来上がるということが見えてきました。
私はその後もいくつか他のフラワー教室で技術を学び、アレンジメント全般、ウェディング用のフラワーブーケなども幅広くスキルを学んで行ったのですが、
その中で感じたのは、
フラワーアレンジメントのレッスンはどこか、ざっくりとした説明や感覚・ニュアンスでのレクチャー・指導が多いということでした。
もちろん美的な感覚や雰囲気を大事にしてそれに沿って作品作りをすることも大事で、それが出来れば一番なのですが、人一倍不器用な私にとっては、ニュアンス的な説明の中で”感覚的に作る”ということが、かえって遠回りになってしまうことに気づいたのです。
・ふんわりした感じで・・
・トップを目立たせるように・・
・全体的にフェミニンな感じで・・
など、一見わかるようで、実際に形に落とし込もうとするとわからないことが沢山出てきます。
「それって具体的にはどうやったらいいのだろう?」
その頃から私は、1つ1つの作品作りを分解して考え、”理論的に落とし込む”ということをやっていきました。
・どうやったら毎回同じように美しい作品が出来上がるのか・不器用な私でも作品の完成度を上げられるのか
ある意味、黄金律とも言えるポイントを、ノートにまとめるようになっていきました。
フラワー作品の販売へ
アレンジメントレッスンに通いながら、私は美しい作品を作るだけではなく自分のフラワー作品を販売してみたいという気持ちが芽生えてきました。
最初はもちろん不安もありましたが、
『自分にも手に職をつけて、私らしい仕事をしてみたい』という以前からの思いに後押しされるようにインターネット上でショップをもち、
通信販売という形で作品の販売をスタートさせました。
ネット上で売る難しさに直面しながらも、現在はとてもありがたいことに多くのご注文を頂くようになり、季節ごとのフラワーアレンジメントや、プレ花嫁さんのウェディングブーケの制作に追われる毎日です。
気づけば趣味が本業になり、自分がやりたいことで生活することが出来るようにもなってきました。
また、ここ最近はミンネやクリーマでも沢山の作品を特集に掲載して頂き、
2021年秋には特集の表紙を飾らせていただいたり、マイナビウェディングさんのInstagramのブーケ特集でも私の作品をご紹介して頂きました。
”やってみたい。お花が好き。”
そんな単純な思いからスタートした私のフラワーアレンジメント生活ですが、こうして思い返してみると、たくさんの楽しさや恩恵を私に与えてくれたように思います。
自分の作品を誰かに提供できる喜び。好きなことをお仕事にしていける可能性の大きさ。
現在はネットの力を借りて、どんな人でも自分のスキルや技術を使ってものを販売できる時代になりました。
本当にありがたく、恵まれた時代だなあと思うのです。
本当に、数年前の自分では想像もつかない働き方を手に入れることができました。
今後の目指すもの
私は、これまでの経験を大切にしながらこれからやっていきたい事が2つあります。
それは、
・フラワーアレンジメントで世界中の人に”勇気”を与えること
そして
・お花をお仕事にする人を増やすこと
です。
まだまだ知名度の低い「フラワーアレンジメント」ですが、作品販売を通じて、またフラワーレッスンを通じて多くの方にその魅力を知って頂きたいと思っています。
今もお客様に通信販売を通してお花をお届けする中で、お客様から
「お花を飾ることで癒されました」
「明日からもこのお花を見て頑張ります」
というような、お言葉を多くいただきます。
これは私が会社員の時にお花から勇気をもらっていた時に感じていたことと同じだなぁと思います。
そこにあるだけで、自分も前向きになれる。勇気を持てる。
お花の魅力はそんなところにあるように思います。
そしてもう1つの”お花をお仕事にする人を増やすこと”
これはまさに今後私がレッスンを通じて生徒さんと一緒に叶えていきたい未来です。
ごく普通の会社員だった私でも、そして不器用な私でも、お花を仕事にすることができました。
だからこそ私は、自分のフラワーレッスンを通じてアレンジメント制作の楽しさを感じて頂きながらさらにフラワーデザイナーというお仕事としての可能性を多くの方にお伝えしていきます。
特に私のレッスンの特徴は、
ぶきっちょさんでも、アーティフィシャルフラワーフラワーに触れたことがない方でも、分かりやすく技術を習得して頂ける点です。
レッスンの中では、私自身が不器用だったからこそ見つけてこれたいくつもの制作のテクニック、細かな技術や理論を、たくさんお伝えしていきます。
考えてみれば
私にお花の魅力を伝えてくれた、表参道のショウウィンドウのフラワーアレンジメント。
本当に小さなきっかけから、私の人生が大きく変わってきたように思います。
そして、それ自体が輝きながらも同時に誰かを輝かせてくれるお花のように、私も微力ながら、フラワーレッスンを通じて生徒さんにとってのそんな存在であれたらと思います。